コラム

2025.02.04

乳がんによって乳頭から血が出る場合や背中が痛い場合、乳房に湿疹やアザがある場合は癌が進行しているのか

回答

乳癌が発生して数年経過して、既に早期癌ではなくなった場合に見られることがある症状ですが、早期癌で見られることも多々あります。乳癌とは関係のない病気であるケースもあるため、一概に進行しているとは言い切れません。

解説

乳癌が増殖して大きくなり、乳頭の近くまで及ぶと乳頭から血が出ることがあります。しかし、早期癌でも最初から乳頭の真裏に発生した場合は乳頭からの出血をきっかけに発見されることもあるため、進行の程度とはあまり関係がありません。ただし、乳頭から血がでる場合は乳癌をはじめとした何らかのしこりが隠れているケースが多いため、必ず乳腺外科を受診してください。

背中の痛みに関しても、乳癌が背骨に転移してしまって痛みを出すこともありますし、早期癌をわずかな胸の違和感や背中の痛みとして感じ取られて受診される患者様もいらっしゃいます。乳癌とは関係ない整形外科の病気のこともありますので、背中の痛みはいくつかの診療科をまわってからようやく診断がつくケースが多い印象です。

乳房の湿疹の大半は皮膚表面のトラブルです。乳癌が相当進行して皮膚を突き破りかけた際は皮膚の湿疹やアザが見られますが、この時には既にしこりとして明らかに触れている上に、痛みも伴っていることが多いです。
よって、乳房のしこりや痛みがなく、症状として皮膚の湿疹だけがある場合は、まずは皮膚科を受診して頂いてよいと思います。皮膚科の先生は乳癌に伴う皮膚症状も熟知されていますので、乳癌が疑わしい場合は必ず乳腺外科への受診を勧められます。