乳がん検診

乳がん検診のご案内

乳がんは早期に発見して早期に治療すれば、根治することが十分可能ながんです。その乳がんを早期発見するための検査としてマンモグラフィとエコー(超音波検査)があります。
乳がん検診はこの2つの検査を組み合わせて行いますが、福岡市の助成が受けられる年と、助成が受けられない年があります。
ご自身が今年はどの乳がん検診にあてはまるのかをフローチャートにまとめましたのでご確認ください。

乳がん検診のご案内
乳がん検診のご案内

乳がん検診フローチャート

質問①

現在、しこりや痛みなどの症状がありますか?
もしくは、前回の検診で何かを指摘されましたか?

質問①に「はい」とお答えになった方は・・・

今回は保険診療(3割負担)での「検査」になります。
39歳以下の方はエコーのみ(約2,000円)、40歳以上の方はマンモグラフィとエコーをセット(約3,600円)で受けていただくことをお勧めしていますが、患者様ごとに必要な検査が異なるため、当日改めてご説明します。



質問②

昨年もしくは今年、福岡市が実施する(検査費用を一部補助する)乳がん検診を受けましたか?

質問②に「はい」とお答えになった方は・・・

福岡市が実施する乳がん検診を受けられるのは2年に一度なので、今回は福岡市が実施する検診の対象外となります。
40歳以上の方はマンモグラフィとエコーをセット(8,300円)で受けていただくことをお勧めしています。



質問③

年齢は39歳以下ですか?

質問③に「はい」とお答えになった方は・・・

福岡市が実施する乳がん検診は40歳以上の方を対象にしているため、福岡市が実施する乳がん検診の対象外となります。
エコー検査(約4,500円)を主体にして頂き、マンモグラフィまで併用した方がよい場合は当日ご説明します。

質問③に「いいえ」とお答えになった方は・・・

今回は福岡市が実施する乳がん検診が受けられます。
40歳代の方は1,500円、50歳以上の方は1,200円の自己負担でマンモグラフィ検診が受けられます。
エコーもご希望の方は4,500円で追加することも可能です。



乳がん検診の制度について詳しく知りたい方は以下も読んで頂けると幸いです。

まず、乳がん検診は福岡市の助成が受けられる年と助成が受けられない年に大きく分かれ、年齢によって勧められる検査項目も異なるなど、意外と複雑です。
おそらくみなさん、「乳がん検診といえば毎年マンモグラフィとエコー」というのは聞いたことがあるかと思いますが、乳がん検診を受けようと思って調べてみると、“福岡市の実施する乳がん検診”やら“自費(助成が受けられない)での検診”やら色々出てきます。結局、「福岡市の検診って何?どこで受けられるの?」「自分はどの検診を受けたらいいの?」「マンモグラフィとエコー、どっちを受けたらいいの?」と分からなくなります。
この分かりにくさこそが乳がん検診の受診率の低さに結びついていると思いますので、現在の乳がん検診の制度について分かりやすく説明します。

まず、「福岡市の実施する乳がん検診とは何なのか?」ですが、これは、福岡市が検査費用を一部負担してくれる検診のことです(福岡市が市役所や区役所で乳がん検診を行っているわけではありません)。対象は40歳以上の女性で、助成される検査はマンモグラフィだけです。40~49歳の方は1,500円、50歳以上の方は1,200円の自己負担でマンモグラフィが受けられます。
なぜ福岡市がこのような制度を始めたのかといいますと、40歳以上の女性がマンモグラフィ検診を定期的に受けることで、乳がんを早期発見でき、乳がんで亡くなる女性が確実に減ることが世界的に証明されているからです。

ただし、注意点が2つあります。
1つめは「毎年ではなく2年に一度」であることです。なので、昨年この制度を利用した方は、今年は福岡市の助成対象外となります。
2つめは「エコーもセットで受けたい場合は、エコーの費用を追加で負担して頂くこと」です。

では、「福岡市の実施する乳がん検診はどこで受けられるのか?」ですが、当院はもちろんのこと、福岡市から認定された施設だけです。患者様には特別な事前手続きは必要ありません。当院の受付で対象の方にはご説明しますので、よく分からない方もご安心下さい。

以上が福岡市の実施する乳がん検診の全てですが、色々な「なぜ?どうして?」が浮かんでこられたと思います。よくある質問を下のQ&Aにまとめておりますので、こちらも目を通して頂けると幸いです。

福岡市の乳がん検診Q&A

なぜ40歳未満は対象じゃないの?

乳がんは40歳から急に増え始めるからです。
福岡市が検査費用を負担する以上、どうしても対象者の線引きは必要になってきます。しかし、40歳未満で乳がんにかかる方がいるのも事実です。現時点では40歳未満の方の検診は助成の対象外となりますが、乳がんの発症年齢が低くなっている傾向があるのも事実なので、将来的には35歳からでも福岡市の補助が受けられるようになる可能性はあります。
*しこりや痛みなどの症状がある場合や、前回の検診で異常を指摘された場合は、「乳がん検診」ではなく保険診療での「検査」になります。

なぜ2年に一度なの?毎年受けたい場合はどうしたらいいの?

大半の乳がんは進行が遅いため、2年に一度で問題ないことが医学的に分かっているからです。
ここが最も複雑なところですが、せっかくなら毎年福岡市の補助が受けられる制度にした方が絶対分かりやすい上に忘れないのに、なぜ2年に一度なのか。それは、乳がんは一般的に進行が遅いがんなので、2年放置していても早期がんのままであることが大半だからです。(できたばかりの乳がんの多くは5年で1cm程度しか大きくなりません)
稀に進行の早い乳がんもありますが、福岡市が検査費用を負担する以上、ここでも線引きは必要です。医学的に最も理にかなった間隔として、2年に一度で問題ないことが証明されているため、現在の福岡市の乳がん検診は2年に一度に設定されています。よって、毎年乳がん検診を受ける場合は、福岡市の助成対象とならない年を挟んでいくことになります。
なお、「隔年だと忘れてしまう」という大きなデメリットがあります。稀ではありますが、進行の早い乳がんだと転移してしまう可能性もあります。こういった不安を解消するために当院では、まずは誕生日の月などに合わせて1年に1回、定期的に検診を受けて頂くことをお勧めしています。その中で、2年に一度でも十分なのか、半年に一度慎重に診た方がいいのかなど、患者様毎に適切な検診間隔をお伝えするようにしています。

なぜマンモグラフィだけなの?(なぜエコーはセットじゃないの?)

マンモグラフィは乳がん死亡率の低下に直結することが世界的に証明されているからです。 意外なことに、エコーはまだ検証中です。つまり、「マンモグラフィだけで十分なのか」「マンモグラフィとエコーをセットで受けた方がいいのか」という比較の最終結論がまだ出ていません。
現在までに分かっている途中結果は2つ。1つは、両方セットで受けた方が、数%ではあるが早期乳がんをより多く見つけられるということ。もう1つは、両方セットで受けることで、本来なら治療しなくてもいいような良性腫瘍もたくさん見つけてしまって、過剰な検査・治療を行ってしまう割合が増えているということです。1つめの結果はとても良いことですが、2つめの結果は患者様に負担が増える以上、あまり好ましくないものです。これを許容しても問題ないかどうかの結論が出るまでは、福岡市の実施する乳がん検診はマンモグラフィのみとなります。
ただし、当院は乳腺専門のクリニックですので、マンモグラフィとエコーをセットで受けて頂いて問題ありません。良性腫瘍の中でも、数年放置しておいてよい良性腫瘍(自然に消える)と、精密検査や治療をした方がよい良性腫瘍(急に大きくなったり、がんに変わる可能性のある腫瘍)の見極めはしっかり行いますので、ご安心下さい。マンモグラフィとエコーをセットで行うことで、より確実に早期乳がんを発見し、かつ、患者様の負担となる過剰検査を避けるように努めております。

自分はマンモグラフィだけでいいのか、エコーもセットで受けた方がいいのか分からない。

40歳未満の方はエコーのみ、40歳以上の方はマンモグラフィとエコーをセット。
まずはこれを基本にして下さい。40歳未満でもマンモグラフィを追加した方がいい場合や、40歳以上でもマンモグラフィのみで問題ない場合は当然あるため、患者様毎に適切な検診間隔と共にご説明します。

検診と健診って違うの?

検診というのは主に「がん検診」や「人間ドック」のことを指しますが、特に何も症状がない方を対象にして、健康増進のために、もしも万が一がんができていたとしても早期発見・早期治療に結びつけるために行う検査です。(既に何か症状があったり、以前の検査で異常を指摘されている場合は保険診療になります)
健診は「健康診断」のことで、健康であることを確認するために毎年行う簡単な検査です。職場の健診が相当します。

子宮頚がん検診も受診できますか?

当院では子宮頚がん検診は行っておりません。

乳がん検診の種類

①福岡市の乳がん検診以外の検診

マンモグラフィもエコーも自分が好きなように組み合わせて受けられます。
受ける間隔も自由です。

②福岡市が実施する乳がん検診

40歳以上の女性を対象に、2年に一度、福岡市が検診費用を助成してくれることで、自己負担1,000円代でマンモグラフィ検診が受けられます。
40歳代なら1,500円、50歳以上なら1,200円の自己負担

ただし、福岡市の乳がん検診の注意点は・・・

  • 二重読影が必須で、他院でダブルチェックを行ってから結果が判明するため、患者様のお手元に検診結果が届くのが3週間後になります。
  • マンモグラフィ単独なので、エコーも受けたい場合は費用を追加で負担して頂くことになります。
患者様の例1)

毎年マンモグラフィ検診を受けている患者様
→ 福岡市の助成が受けられない年と、福岡市の助成が受けられる年を交互に繰り返している。

患者様の例2)

毎年マンモグラフィとエコーをセットで受けている患者様
→ 福岡市の助成が受けられない年と、マンモグラフィだけは福岡市の検診として助成を受けている年が交互。

③企業検診

各企業の毎年の法定健診にオプションとして追加され、希望する女性社員が受けられる検診です。
マンモグラフィかエコーかどちらか1つしか選べない会社が多いです。

【注意点】

検診と検査は異なります。
検診は「何の症状もなく、自分の健康管理のために、もしも癌ができても早期発見したい」という人が受けるもので、原則自費です。
検査は「何か症状がある人や前回何らかの異常を指摘された人」に対して行う、保険診療行為です。検診も検査もマンモグラフィとエコーを組み合わせて行いますが、自費か保険診療かで患者様が負担する金額が大きく異なります。

受診の流れ

1予約をお取りください。

予約・受付ご予約なしでの受付ももちろん可能ですが、お待たせしてしまう場合がありますので、まずはお電話かネットでのご予約をお願いします。
受診されたい検診の内容をお伺いし、当日お持ちいただくものをご説明します。
ネット予約ではこれらが選択式で入力でき、24時間ご利用頂けますので、お電話が難しい方はぜひご利用下さい。

2受付をしてください。

来院本人確認のため保険証をお持ち下さい。
前回の検診結果や紹介状のある方は当日お持ち下さい。
なお、検査の際は上半身のみ検査着に着替えていただくため、ワンピースでのご来院はお控え下さい。

3検査を行います。

検査検査はマンモグラフィとエコーを組み合わせて女性技師が行います。

4結果をご説明します。

診察・結果説明検査結果は当日院長よりご説明します。
異常がなければ今後の適切な検診間隔や検査項目を説明し、治療が必要な場合は通院治療を開始します。