厚生労働省が実施する国民生活基礎調査では、日本人女性(40~69歳)における乳がん検診の受診率は47.4%とされています。福岡県は全国34位で、44.7%と低めです。
*参照:国民生活基礎調査(2022年)『都道府県別がん検診受診率』 https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/yobo/sogo/yobo/cancergrop/cancer-h26/documents/ranking.pdf?utm_source=chatgpt.com
ヨーロッパの医療先進国では乳がん検診の受診率は80%に達しており、厚生労働省はがん対策推進基本計画において、日本人の女性におけるこの数字を最低でも60%に上げることを目標にしています。
私は当院で初めて乳がん検診を受けて頂いた患者様には、「乳がん検診を受けようと思われたきっかけ」を伺うようにしています。その中で、これまで乳がん検診を受けていなかった理由を話して頂けることも多いのですが・・・
- 「ずっと検診を受けたいと思っていたけど、忙しくて時間がなかった」
- 「どこで検診を受けられるのか知らなかった」
- 「自分で近くのクリニックを調べたら1万円くらいかかるみたいで、費用が高いと思った」
- 「家族に乳がんがいないから大丈夫だと思っていた」
- 「マンモグラフィは痛いと聞いていたから、怖くて受けたくなかった」
これら5つの理由が多い印象です。
乳がん検診を受けないことで生じる医学的なリスクとしては、以下の2つが挙げられます。
① 早期発見・早期治療による根治の機会を逃してしまう
胸のしこりは2cm程度まで大きくなって初めて自分でも触れるようになりますが、乳がんは2cmを超えてしまうとステージ2以上になり、これは早期がんではなくなります。ステージ0~1の早期がんで発見するためには、乳がんに限らず検診を受けて頂く他にありません。
② 乳房切除(全摘)や抗がん剤が必要になる
がんのサイズが小さければ乳房部分切除(温存手術)が可能ですが、3cmを超えてしまうと乳房切除(全摘)が必要となります。また、乳がんが脇のリンパ節まで転移していれば、リンパ節まで切除しなければならないことがあります。
さらに、ステージ0の早期がんであれば抗がん剤は不要ですが、がんが大きくなってステージが上がる(進行がんになる)につれて、術後に抗がん剤まで必要となる可能性が高くなります。副作用による身体への負担、医療費の負担、通院の負担は日常生活に与える影響が大きいです。
当院は天神の中心に立地しており、夕方も遅い時間まで受付をしております。検診費用は保険診療に切り替わった場合は約3,600円です。痛みを軽減するために最新のマンモグラフィを導入していますし、そもそもマンモグラフィが必要のない患者様にはエコー(超音波)のみを行っています。
福岡の乳がん検診の受診率を向上させるために日々尽力しておりますので、乳がん検診を検討されている方はぜひ当院へご相談ください。